第40回 カンタベリー Tiny Tim's Tearoom


今回は英国からのレポートです。編集部の濱口ゆり子がお届けします。

今日は「孤独の紅茶グルメ」イギリス編をお届けします。ロンドンから電車に乗って1時間ほど、カンタベリーにあるTiny Tim's Tearoomへ行ってきました。

カンタベリーといえば、英国国教会の総本山であるカンタベリー大聖堂が有名で、聖オーガスティン大修道院跡、現在も使われている教会としてはイギリス最古の聖マーティン教会とともに、ユネスコの世界遺産に登録されています。街歩きをしていると歴史の教科書のページをめくっているような気分になる、過去への想像が掻き立てられる場所です。

Tiny Tim's Tearoomに到着したのがちょうどお昼ごはんの時間帯だったので、ランチメニューからチキン・ハフキンを注文。ハフキン(Huffkin)というのは、カンタベリーのあるケント州発祥のティーケーキで、丸型のパンの真ん中にくぼみがあるのが特徴です。ほんのり甘みのある味わいで、バターロールパンに少し似ているかもしれません。

ごはんのお供としていただくお茶は、40 種類近くあったのでどれにしようか迷いましたが、店員さんおすすめのケンティッシュ・アップル・ティーを選択。コクが強めの紅茶をベースにりんごの甘さが際立つ、華やかなブレンドでした。Tiny Tim's Tearoom で扱っている茶葉は地元ケント州の紅茶メーカーから卸されているもので、気に入ったものがあればその場で購入できます。おなかがいっぱいになってしまい今回は頼むことができませんでしたが、アフタヌーンティーとクリームティーのメニューも充実しており、いろいろな種類のスコーンやデザートを楽しめます。

ところで、Tiny Tim's Tearoomには、2階にThe Ghost Roomなるいわくつきの部屋があります。なんでも、現在ティールームが入っている建物で1980年代に火事が発生、その後の復旧作業中に屋根裏から16世紀初頭に亡くなったと推定される子どものミイラが発見され、それからというもの、子どものささやき声や歌声が聞こえるようになったという話。

「ヨーロッパで最も幽霊が出る街」と自ら謳うヨークなどが典型ですが、イギリスでは幽霊話を観光資源にすることがよくあります。ちょっぴり怖いのも平気という方は、おいしい紅茶を飲んだ後にちらっとThe Ghost Roomものぞいてみると面白いかもしれません。ちなみに私は、部屋に足を踏み入れた時に何となく冷んやりしているような気がしましたが、空調のせいだと信じています……。

Tiny Tim's Tearoom
住所: 34 St Margaret's Street Canterbury, England CT1 2TG, United Kingdom
営業時間: 月曜-金曜9:30~17:00、土曜9:30~17:30、日曜10:30~16:30
https://tinytimstearoom.com/

https://www.instagram.com/p/CtSvs2AvjqC/


*最新の営業時間はHPでご確認ください。