第71回 レストラン フォレスティーユ 精養軒 (台東区)


今日は「孤独の紅茶グルメ」の第72回、上野・東京文化会館の「レストラン フォレスティーユ精養軒」を紹介します。

フォレスティーユは、1961年開館の東京文化会館とともに歩んできた上野精養軒のレストラン。東京文化会館の大規模改修に伴い、5月6日をもって一時営業終了という閉店のお知らせを知り、これは行かなくては…と伺ってきました。

JR上野駅の公園口を出て正面にある東京文化会館の2階にあり、コンサートやオペラ、バレエ、美術館帰りの人々に長年親しまれてきたレストランです。

入り口には小澤征爾さんのサイン。世界的指揮者として活躍し、東京文化会館とも深い縁のあった小澤さんは、2024年に逝去されました。そのサインを眺めながら、この場所には本当にたくさんの音楽の記憶が積み重なっているのだなあと感じます。

店内は落ち着いた光のシャンデリアにゆったりとしたテーブル配置。外の緑が生える空間で、クラシカルだけれど堅苦しくなく、静かに時間が流れていくようなとても落ち着く場所です。そしていつも印象的だったのが、スタッフの方々の丁寧な接客。長く愛されてきた理由は、この空気感そのものなのだと思います。

注文したのは名物のチャップスイと、ロンネフェルトの「アッサム バリ アイリッシュブレックファスト」。チャップスイは、上野精養軒で長年提供されてきた名物メニュー。ごはんに海老や野菜、うずらの卵が入った餡がかかった、優しい味わい。ロンネフェルトは1823年創業のドイツの老舗紅茶ブランド。世界の高級ホテルやレストランでも親しまれていますよね。

紅茶と一緒に運ばれてきた砂時計は、ビーズが上へ上がっていく逆砂時計。見ていて飽きず、つい何度もひっくり返して楽しんでしまいました。

いただいた「アッサム バリ」は、しっかりとしたコクとモルティーといわれる芳醇な風味が印象的。ストレートでもミルクでもおいしい!ポットサービスでゆっくり楽しめるのも嬉しいところです。

コンサートの前に立ち寄ったり、美術館帰りにお茶したり。上野の文化時間をおいしく支えてきた場所だったのだなあと、店内を見渡しながらしみじみ感じました。約3年間の休館は寂しいですが、リニューアル後、またこの場所でおいしい紅茶をいただける日を楽しみにしています。

レストラン フォレスティーユ(2026年5月から約3年間の大規模改修予定)
東京都台東区上野公園5-45 東京文化会館内
JR上野駅 公園口すぐ